会長挨拶

第40回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会
会長 奥本隆行
(藤田医科大学 形成外科)

第40回
日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会
会長 奥本隆行
(藤田医科大学 形成学科)

この度、第40回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会を主催させていただきます、藤田医科大学形成外科の奥本隆行です。

本学は1978年に形成外科診療を開始し、1986年に初代中島龍夫教授のもと口唇口蓋裂に対するチーム医療を開始しました。さらに1992年には口唇口蓋裂センターを発足し、本学術集会開催の年にちょうど設立30年を迎えます。これまで一貫して口唇口蓋裂をはじめとする頭蓋顎顔面先天異常や後天性変形に対する頭蓋顎顔面外科を診療、研究の柱として歩んでまいりました。2013年に第二代吉村陽子教授が第31回を主催させていただきましたことに続いて、伝統ある本学会の節目となる第40回を開催させていただきますことを大変光栄に存じますとともに身の引き締まる思いがいたしております。

本学術集会のメインテーマは“Aesthetic Mind”とさせていただきました。 この言葉は私が若き頃、恩師から常にaesthetic mindを忘れることなく、患者さんの治療に当たらなければならないと、教えられてきたことに依ります。形成外科の仕事の大部分は体表にその結果が表れるものであり、とりわけ頭蓋顎顔面領域においては美容外科に限らず、 先天異常、外傷、再建外科いずれにおいてもこのmindを持たずして、治療は成り立ちません。Aesthetic mindこそが形成外科医の形成外科医たる所以ではないでしょうか。もちろん、機能美という言葉もあるように、機能を追求した結果、形態は機能に従うといわれ、自然に表れる美しさとなります。眼瞼下垂の治療然り、笑いの表情の再建然りです。もちろん私が専門としている頭蓋顎顔面骨格の治療においては咬合の確立は必要不可欠な要素です。

本学会では頭蓋顎顔面外科の様々な分野の第一線で活躍する先生方にそれぞれのmindを語っていただくシンポジウムやパネルを数多く企画し、 魅力あるこの世界を若い世代にも感じていただき、次世代につなげることができる会にしたいと願っております。

会場はJR名古屋駅から地下道で直結した交通至便なウインクあいちです。ちょうど日本の真ん中あたりで飛行機も新幹線も高速道路も、何でもありな便利な場所です。今はまだコロナ禍にて往来もままならないもどかしさがありますが、感染終息の暁にはぜひとも多くの会員の先生方にご来名いただき、 実りある会となるよう準備を進めてまいります。多くの皆様方のご参加をお持ちしております。